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太陽光発電所のブレーカー落ちについて

2020/08/11 20:15:55 | メンテナンス | コメント:0件

こんにちは、こんばんは! 暑いです、現場辛いです


先日少しふれました、太陽光発電所のブレーカー落ちに付いて、これが切っ掛けで、監視装置の検討や、弊社のゼロモニタを導入頂いた事もあり、私自身が発電所のオーナーの目線から、今回、色々調べてみました。




直近では3か所の発電所のブレーカー落ちですが、弊社のゼロモニタの設置件数から考えても件数が多く感じます。


ブレーカーには色々種類はありますが、太陽光発電所では、漏電ブレーカ(ELCB)と安全ブレーカー(MCB)を使います。


違いは、漏電ブレーカーは電気の漏れと短絡、規定容量を超えた電流が流れると遮断(ブレーカー)がおちます。安全ブレーカーは漏電ブレーカーの漏電検知機能を省いた物で値段も安くなります。


構成図
ここ数年ではこの構成でメインブレーカーに安全ブレーカー、個別に漏電ブレーカーを入れてます。


数年前はメインに漏電ブレーカー個別に安全ブレーカーが多かったです。


発電所のブレーカーが落ちる理由ですが、基本的には下記の3つです。


①漏電ブレーカーがパワーコンディショナーや太陽電池モジュールの漏れた電流を拾って落ちる
②発電所のどこかで短絡事故が起きている
③ブレーカーの容量以上の電流が流れて、ブレーカーが落ちる
IMG_20200806_155909.jpg


IMG_8908.jpg


今回のブレーカー落ちの調査のきっかけになった、すぐに落ちるブレーカーです。


このブレーカーが落ちる可能性ですが①はありません、なぜなら漏電ブレーカーではないからです。②か③ですが②ならブレーカーを入れた瞬間におちます。残った③が落ちる理由と思われます。
では③でなぜ落ちたのか・・・・まずこの発電所ですが
オムロンのKP55M-J4が9台の発電所です。KP55M-J4は1台で27.5A最大で電流がながれます。
27.5A×9台で247.5A以上容量があれば問題ありません、写真のブレーカーは300Aの為
なんら問題ないと計算できますが、この工事業者、いくつかのミスを起こしています。


IMG_8909.jpg
①写真の通り端子の加工、電線の先にはブレーカーと繋ぐため、端子を付けますが、現場で穴が合わなかった為、端子の穴を大きくするため、加工しています。端子はJISの規格で作れていますので、加工は安全上、危険な行為です。




IMG_9225.jpg
②本来標準でついている銅バーを外して、直接接続している。写真は弊社の倉庫から出したブレーカーの写真です。


上の①、②がそして野立ての太陽光発電と言う事が今回のブレーカー落ちをおこす理由です。


今回の件でブレーカーメーカーに色々教えて頂きました。


根本的にブレーカーの仕組みですが、写真の安全ブレーカーは内部をテスターみたいな物で電流を測定している分けではなく
内部に電流が流れると、熱を持つ板(バイメタル)が入っており、この板は熱が大きくなるほど、反り返りが大きくなります。そして
一線を越えると、反り返った所に遮断の板が降りて、ブレーカーを切断します。


上記の記載の通り、ブレーカーの落ちるポイントは熱にあります。300A以上流れても、一瞬で、熱が少なければブレーカーは落ちません。逆に300A以上流れなくてもバイメタルが熱くなっていればブレーカーは切断されます
ブレーカーはJISの規格で40度の環境を基準としており、ブレーカーのメーカーはこの40度をベースに300Aが流れた場合のバイメタルの反る度合い、遮断ポイントを決めています。




太陽光発電所は一般の工場や家庭と違って、天気が良ければ、休憩無しで日中電流を流す為、ブレーカーは熱くなったまま冷める時間は夜までありません。当然、300Aで落ちるブレーカーは本体が熱くなる事で270Aでも落ちる可能性があります。




野立ての発電所は外にあります。外気の影響も多く受けます。
IMG_8875.jpg
写真の分電盤が夏場に40度の環境で済むと思いますか? 内部は60度以上が想定されます。


ブレーカーメーカー数社に確認しましたが、基本的に10度上がれば、能力は10%おちます。60度なら20%おちますので
300Aのブレーカーも240Aで遮断される可能性があります
問題のブレーカーですが、端子を加工しております。これは接地面積が減るため、端子部分の熱の量が多くなり、ブレーカーに熱が伝わりやすくなります。銅バーの撤去も同じで、銅バーで逃げる熱がない為、直に熱がブレーカーに伝わります。




そして、架台の下でも夏場の外気で考えればブレーカーが落ちても、なんら不思議ではありません!


写真のブレーカーメーカーでは40度以上が想定される環境では基本は設置不可だそうです。


今回の現場ですが、オーナー様が販売店に端子の加工を理由にブレーカー交換を求めていますが、端子は変えましたが、ブレーカーは現状です。販売店に強く、交換を求めた所、交換して、ブレーカーをメーカーに送って、異常がなければブレーカーの交換費用20万請求すると脅されています。この300Aのブレーカー、弊社の入り36600円で350Aなら46620円で交換費用20000円で考えても6万が妥当だと思いますが・・・・メーカーに確認したところ、JISが40度で定めているので、40度以上での環境検査はしないし、環境がないそうです。




絶対にオーナー様に請求をする考えだと、腹が立ちます、てか外した銅バー返してあげてと・・・・


販売店名は言えませんが、全国展開の咲くが付くとだけ、これを書くから販売店から嫌われる、弊社(笑)




この内容を見て、今から発電所を作る方は、メインブレーカーは出来るだけ大きい、可能なら350Aを付けてもらえるように


設計を依頼して下さい。また、分電盤も出来るだけ涼しい場所、架台下に設置してもらって下さい。


参考にして頂ければ

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